西洋音楽史を楽しむ
-グレゴリオ聖歌から始まる1000年

旋律の裏にある“歴史”を知ると、音楽はさらに深く響く
長年にわたり音楽と向き合ってきた著者が、西洋音楽史の広大な世界をわかりやすく描き出した一冊。グレゴリオ聖歌からルネサンス、バロック、古典派、ロマン派へと続く西洋音楽の大きな流れを軸に、さらにアメリカや南米、日本へと広がる多彩な音楽文化までを幅広く取り上げている。
バッハ、モーツァルト、ベートーヴェン、ドビュッシーといった著名な作曲家のみならず、女性作曲家、民族音楽、オペラなど、多様なテーマを丁寧に紹介。音楽史の背景にある宗教、社会、文化、人々の営みを立体的に浮かび上がらせながら、西洋音楽の魅力と奥深さを親しみやすい語り口で伝えていく。紹介される楽曲にも触れながら読み進めることで、「音楽を学ぶ楽しさ」を自然に感じられる内容となっている。音楽を心の支えとする人が増えてほしい――そんな著者の静かな願いが込められた、長年の学びと経験の集大成。
バッハ、モーツァルト、ベートーヴェン、ドビュッシーといった著名な作曲家のみならず、女性作曲家、民族音楽、オペラなど、多様なテーマを丁寧に紹介。音楽史の背景にある宗教、社会、文化、人々の営みを立体的に浮かび上がらせながら、西洋音楽の魅力と奥深さを親しみやすい語り口で伝えていく。紹介される楽曲にも触れながら読み進めることで、「音楽を学ぶ楽しさ」を自然に感じられる内容となっている。音楽を心の支えとする人が増えてほしい――そんな著者の静かな願いが込められた、長年の学びと経験の集大成。
| 著 | 川村優子 |
|---|---|
| 判型 | B5判頁:244 |
| ISBN | 978-4-434-37862-1 |
| 発行 | 2026年5月 |
| 定価 | 1,760円(本体1,600円+税)
在庫:○
|
はじめに
私は音楽と関わりを持って70年近くになります。
はじめはピアノを通じてでありましたが、人生も折り返し地点にさしかかって、私は音楽に学問分野があることを知り、改めて西洋音楽の始まりや女性作曲家のことなどを中心に西洋音楽史を学ぶ機会を得ました。そこで気づいたことは、音楽というものが想像以上に奥深いもので、人間の営みに欠かせない大切なものであるということでした。
そのような中で、2010年代に地域の生涯学習の講座で「西洋音楽史の楽しみ」という講座を担当させていただくこととなりました。7年間60回の講座のための準備の中で、私自身も新たな発見や気づきが多々あり、今回それらを終活の一環として記録に残してみたいと思いました。
この書は私の作成したレジュメを再編集し、当時の話の原稿を再構築して文章にしたものですが、専門書でもなく、学術書でもないので一貫性・統一性に欠けることをご容赦いただきたく存じます。
音楽は実際に聴いてみなければその善さは伝わらないことは充分承知しておりますが、各項目で「曲例」「参考曲」として示した楽曲はたいていYouTubeで聴くことができ、この本を読んでくださった方が少しでも音楽を知る助けになれば幸いです。
序章と最終章では過去に卒業論文や修士論文で扱ったテーマに関連するトピックが含まれ、ややマニアックな内容となってしまいましたが、そこでの「音」も実際の曲に接していただければと思います。
- 凡例
- はじめに
序章 西洋音楽の起こりとキリスト教
- 第1節 西洋音楽のルーツ ―西洋音楽の起こりと広がり
- 1. 西洋音楽の歴史の始まりとグレゴリオ聖歌
- 2. グレゴリオ聖歌の発展と進化
- 3. 世俗歌曲 -宮廷の騎士歌人たち
- 第2節 西洋音楽とキリスト教 ―キリスト教とつながりを持つ音楽作品
- 1. グレゴリオ聖歌旋律にちなんだ作品例
- 2. コラール
- 3. 詩篇
- 4. ロシア正教にちなんだ作品
第1章 18世紀半ばころまでの音楽
- 第1節 調和するルネサンスのひびき ―ハーモニーへの目覚め
- 1. ルネサンス音楽の開花
- 2–1. ルネサンス最盛期の頃
- 2–2. 16世紀の世俗歌曲と音楽の広がり
- 3. バロックへのステップ
- 第2節 バロック音楽の風景
- 1. バロック時代の音楽と特徴
- 2. ヴァイオリンとコレッリ
- 3. イタリアのヴァイオリン、フランスのオーボエ
- 4. バロック時代のイタリアとフランス
- 第3節 ヴェネツィアゆかりの作曲家たち
- 1. ヴェネツィアとヴェネツィアの音楽文化
- 2. モンテヴェルディと代表的作品
- 3. ヴィヴァルディ
- 4. ヴェネツィアにちなんだ作品 / ヴェネツィアを舞台とした作品
- 第4節 バッハとヘンデル
- 1. J. S. バッハ
- 2. ヘンデル
- 3. バッハとヘンデル
- 第5節 王侯貴族に仕えた作曲家
- 1. D. スカルラッティ
- 2. ハイドンとエステルハージ侯
- 3. 「自由」を求めたモーツァルト
- 間奏曲 楽器の発達と多様な音色
- 1. 「古楽器」(ピリオド楽器 / オリジナル楽器)
- 2. ヴァージナルとチェンバロ
- 3. ヴィオラ・アルタとバリトン
- 4. ハープ
第2章 ドイツ語圏の音楽
- 第1節 ウィーンの天才たち
- 1. ウィーンの成り立ち
- 2. ウィーン時代のハイドンとモーツァルト
- 3. ベートーヴェンとシューベルト
- 第2節 時代を切り拓いたピアノ
- 1. ピアノの誕生と進化
- 2. 19世紀のピアノ音楽
- 第3節 音楽文化を支えたドイツの都市と作曲家たち
- 1. ライプツィヒ
- 2. メンデルスゾーン
- 3. シューマン
- 4. ワイマールとリスト
- 5. 遅咲きワーグナー ―ドレスデン / ミュンヘン / バイロイト
第3章 19世紀後半のヨーロッパ
- 第1節 出会いと才能開花 ―シューマン~ブラームス~ドヴォルジャーク
- 1. シューマンの文筆・評論活動
- 2. ブラームス
- 3. ドヴォルジャーク
- 第2節 音楽における民族意識の高まり
- 1. 国家統一と独立を願って生まれた音楽
- 2. 民族固有の伝統に根ざす音楽
- 3. 民族の自覚
- 第2節 音楽における民族意識の高まり
- 1. 国家統一と独立を願って生まれた音楽
- 2. 民族固有の伝統に根ざす音楽
- 3. 民族の自覚
- 第3節 知性と情熱の音楽家たち
- 1. ボロディン
- 2. ラフマニノフ
- 第4節 周辺諸国ノルウェー、スペインの音楽
- 1. 「北欧のショパン」グリーグ
- 2. 南欧スペインの音楽
- 第5節 世紀末ウィーンとパリ
- 1. 19世紀後半ヨーロッパの音楽事情
- 2. マーラーの作品から
- 3. マーラーと同世代の2人
- 4. ドビュッシーとラヴェル ―フランス音楽の自覚
- 間奏曲 音楽史の中のイギリス
- その1 バロック期まで
- 1. イギリス固有のひびき
- 2. エリザベス朝の代表的作曲家(第1の黄金期)
- 3. 大陸からの新風(第2の黄金期)
- その2 古典派以降
- 4. イギリスに滞在・活動した作曲家
- 5. イギリス音楽再び
- その1 バロック期まで
第4章 海を越えて
- 第1節 海を渡った西洋音楽1 ―アメリカとヨーロッパの交流
- 1. 移民たちによる音楽
- 2. アメリカ独自の音楽へ
- 第2節 海を渡った西洋音楽2 ―アルゼンチン
- 1. 新しい世紀の音楽の傾向(ヨーロッパ)
- 2. タンゴ
- 3. タンゴの革命児ピアソラ
- 第3節 民俗素材を発展させた音楽家 ―ブラジル、ハンガリー
- 1. ヴィラ=ロボス ―ブラジル
- 2. バルトーク ―ハンガリー
- 3. いろいろな音階
- 第4節 西洋音楽と日本
- 1. 日本における初めての“洋楽”
- 2. 日本の洋楽受容
- 3. 瀧廉太郎
- 4. 山田耕筰
第5章 音楽史を通じて
- 第1節 音楽史における女性作曲家
- 1. 女性と音楽
- 2. エイミー・ビーチ
- 3. ファニー・メンデルスゾーン=ヘンゼル
- 4. クララ・ヴィーク=シューマン
- 5. ルイーズ・デュモン=ファランク
- 6. セシル・シャミナード
- 7. ジェルメーヌ・タイユフェール
- 8. リリ・ブランジェ
- 9. 日本人女性作曲家
- 第2節 オペラ
- 1. オペラの誕生と発展
- 2. モーツァルトのオペラ
- 3. 19世紀中期に至るオペラ
- 4. フランス・オペラの流れ
- 5. 愉しいオペラ、オペレッタ
- 6. ローマ、フィレンツェを舞台としたプッチーニのオペラ
- 主要参考文献一覧
- あとがき






