一般化されたOrlicz空間・弱Orlicz空間入門

| 著 | 北廣男 宮本孝志 尾形尚子 |
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| 判型 | B5判頁:506 |
| ISBN | 978-4-434-37044-1 |
| 発行 | 2026年1月 |
| 定価 | 5,500円(本体5,000円+税)
在庫:○
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本書は『オーリッチ空間とその応用』(岩波書店, 2009)の続編として位置づけられるが、前著を読んでいなくても本書のみで理解が完結するよう構成されている。はじめてOrlicz空間を学ぶ読者にも配慮しつつ、Young関数の凸性を仮定しない一般化されたOrlicz空間および一般化された弱 Orlicz空間について、その基礎から丁寧に解説することを目的としている。
本書の主な対象読者は、学部4年生から大学院生、ならびに関数解析・実解析を専門とする研究者である。微分・積分、集合論、ノルム空間、Lebesgue積分の基本事項を前提としつつ、必要に応じて参考文献を示し、各節はできるだけ独立して読める構成が採られている。定義や重要な結果は繰り返し記述され、読者が過去の節を遡る負担を減らすよう工夫されている。
Orlicz空間は、Lp 空間の自然な拡張として得られる関数空間であり、Lp 空間では現れない多様で興味深い現象を含んでいる。本書では、強可測でない関数の具体的構成や、nonsquare pointに関する問題など、Lp空間の枠内では扱えない話題にも踏み込む。さらに、Young関数の条件から凸性を取り除くことで得られる一般化されたOrlicz空間や弱Orlicz空間を扱い、より広い関数空間の視野を提示している。
本書に収められた内容の多くは、著者らの共同研究によって得られた新しい成果であり、本来は専門誌に論文として発表されるべき性格のものである。必ずしも十分な査読を経ていない結果も含まれているが、その分、研究の現場に近い問題意識や未解決の課題も率直に示されている。各節には「問題」が設けられ、読者自身の考察を促す構成となっている点も本書の特徴である。
一般化されたOrlicz空間および弱Orlicz空間について、日本語で体系的にまとめた文献はきわめて少ない。本書は、この分野に関心をもつ読者にとっての確かな入門書であると同時に、今後の研究へと進むための出発点となる一冊である。
- この本を読まれる方へ
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- 1. はじめに
- 2. Young関数の定義および Orlicz空間の定義と基本的な性質
- 3. L-Nノルムでの関数列の収束とその意味について
- 4. 関数列の収束に関する重要例と nonsquare point について
- 5. L∞(Rn) を定める Young関数によってきまる Orlicz空間LΦ(Rn) のN-SP(nonsquare point)について(I)
- 6. Lp(Rn)(1 ≤ p < ∞)におけるnonsquare point(N-SP)について
- 7. Morse-Transue空間 MΦ(Rn) とnonsquare point の関係について
- 8. Orlicz空間 LΦ(Rn) に値をもつ非強可測関数について
- 9. 強可測でない関数の積分可能性について
- 10. r-可測関数,r-連続関数,r-積分について
- 11. r-積分可能性と r-定積分について
- 12. Δ2(t → 0)-条件を満足しないYoung関数から構成されるOrlicz空間とその性質について
- 13. L∞(Rn) を定める Young関数によってきまる Orlicz空間LΦ(Rn) のN-SP(nonsquare point)について(II)
- 14. 一般化されたOrlicz空間について(I)
- 15. 一般化されたOrlicz空間について(II)
- 16. Δ0-条件および関数 AΦ(a), BΦ(a) の基本性質について
- 17. quasi-ノルム||·||LΦ(Ω) と F-ノルム┃·┃ ρΦとの相互関係について
- 18. 一般化された弱Orlicz空間について(I)
- 19. 一般化された弱Orlicz空間について(II)
- 20. 一般化されたOrlicz空間におけるρΦ, ┃f┃ρΦ, ||f||LΦ(Ω)の“単位球面”上における相互関係について
- 21. 一般化されたOrlicz空間におけるρΦ < 1, ┃f┃ρΦ < 1, ||f||LΦ(Ω) < 1 の相互関係について
- 22. 一般化された弱Orlicz空間におけるρw,Φ, ┃·┃ρw,Φ, ||·||wLΦ(Ω)の“単位球面”上における相互関係について(I)
- 23. 一般化された弱Orlicz空間におけるρw,Φ, ┃·┃ρw,Φ, ||·||wLΦ(Ω)の“単位球面”上における相互関係について(II)
- 24. 弱 Orlicz空間における準線形作用素のモジュラー不等式とquasi-ノルム不等式の同値性について
- 25. 一般化されたOrlicz空間LΦ(Ω) において||·||LΦ(Ω)がquasi-ノルムになるための必要十分条件について
- 26. 一般化された弱Orlicz空間 wLΦ(Ω) において||·||wLΦ(Ω)がquasi-ノルムになるための必要十分条件について
- References
- Index







